小林稔侍主演「保険調査員しがらみ太郎の事件簿」の保険調査員という仕事とは?「事実」を集めて「真実」に辿り着く

僕は以前、保険調査員という仕事をしていました。保険調査員は保険の営業とも非常に密接に関係があります。というのも、保険契約者の中には、事故を起こした後で保険に加入しようとする人がいるからです。ですから、保険調査では保険契約締結直後の事故は調査対象になりやすいです。

保険調査員は代理店に来店して、保険の営業マンに聞き取りをすることがあります。

僕ら保険調査員は「事実確認のために」というスタンスで行くのですが、要するに保険契約者を疑っているのです。

この保険調査を専門とする人たちは、保険調査員と呼ばれています。小林稔侍さん主演の「保険調査員しがらみ太郎の事件簿」のあの「保険調査員」です。

この仕事が、どのような仕事なのかよく分からないという人が非常に多いです。

確かに保険調査員はあまり聞きなれない仕事ですし、かなり珍しい仕事かもしれません。

僕はよく浦沢直樹さんの漫画作品「MASTERキートン 」を引き合いに出して説明するのですが、あんな派手な仕事ではありません。

確かに依頼があれば日本全国を飛び回りますが、海外に行くことはありません。

今日は「保険調査員」という仕事について記事にしたいと思います。

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保険調査員はどのような仕事ですか?

「保険調査員」という仕事を知っているかたは、どれくらいいるのでしょうか? あなたは知っていますか?

簡単に説明すると、「保険調査員とは、保険会社から依頼を受けて、保険事故の調査をする仕事」です。

クライアントは保険会社になります。ですから、保険会社から仕事をもらって生活していることになります。

まず、注意していただきたいのが、すべての保険事故を調査するわけではないということです。

事故状況がはっきりしている事故は調査対象になることはありません。なぜなら、保険会社の担当者だけで解決できるからです。

過去に事故歴や保険金の請求歴がある契約者は調査対象になりやすいです。

僕らが必要とされるのは、事故状況がさっぱりわからない事故ですとか、当事者間で主張がまったく食い違う場合など、保険会社の担当者だけでは解決に導けないような事故のときです。

さらには不正請求の疑いがある事故が調査対象になります。

この不正請求がやっかいなのは、中古自動車販売店や代理店が関わっているケースがあるからです。代理店の中には、不正請求を指南しているところがごく僅かですがあるようです。

事故の具体例はこんな感じです

交通事故が調査対象になる場合を例を出して説明します。

あなたは信号ありの交差点で、信号が青だったので直進しました。ところが、進行方向に向かって右側から一台のトラックが交差点に進入してきて、あなたの車両の右側面に衝突しました。

あなたは「信号が青だったから直進した」と主張します。

ところが、トラックの運転者も「信号が青だったので交差点に進入した」と主張したら、どうなるでしょうか?

事故状況がまったく違うわけです。そもそも有り得ない話です。どちらかが嘘をついている、あるいは、勘違いしているのです。

これでは過失割合が決められず、示談交渉はまったく進みません。

あなたと相手ドライバーとのあいだで、保険会社の担当者は右往左往してしまいます。今のままでは、解決できないと思った保険会社の担当者は、調査会社に調査の依頼をするのです。

保険調査員の出番はここからです

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ここから、僕ら保険調査員が登場するわけです。

ひどい事案になると、何か月も経って、揉めに揉めてどうにもならなくなって、保険会社の担当者が投げ出したくなって、ようやく依頼してくる場合もあるのです。

彼ら保険調査員は双方から事故状況を確認し、現場に行き、双方の車両の損傷をチェックします。

双方の運転者に現場に来てもらって、事故状況を説明してもらうこともあります。

ほとんどの運転者は、自分は悪くないと主張します。あるいは、自分も悪いかもしれないが、相手はもっと悪いと主張するのです。

事故当時は「私が悪い」と言っていたけれど、後日「そんなこと言っていない。私は悪くない」と主張する場合も多々あります。

双方が青で交差点に進入したなんて話、信じられますか? まず、有り得ない話ですよね。

どちらかが嘘をついていることになりますが、果たしてその嘘は、確信犯的な嘘なのでしょうか?

交通事故でよくあるのは、事故当時の自分の記憶を呼び戻して、事故状況を説明してみたら、結果的に嘘になってしまったというケースです。

これを嘘をついたと言っていいのでしょうか?

事故後に話す当事者の説明は、あくまでも自分の視点から見た事故状況ですし、また、説明する時点で記憶にある事故状況を思い出したものであるわけです。

つまり、嘘をつくつもりはないけれど、嘘になってしまった場合もあるのです。

保険調査員が信じているものとは?

僕ら保険調査員は何を信じればいいのでしょうか?

ここからが本当の保険調査になるはずです。僕は今まで何度も自動車事故を見聞きしてきて思っていることがあります。

大切なことは、絶対に嘘をつかないものを核にすることです。それは、車両の損傷と事故現場です。車と車が衝突すれば、必ず損傷ができます。損傷があれば、車両同士がどのように衝突したのか分かるのです。

事故当事者は、双方が「自分は正しい」と主張します。事故当事者たちにとって、それぞれの「事実」があります。双方の運転者が見たことは「事実」でしょう。

仮に車両の損傷と矛盾していても、それは彼らにとっての「事実」です。なぜなら、運転者の視点はひとつしかなく、事故を俯瞰的に見ることなどできないからです。

運転者それぞれの「事実」はあるでしょうが、「真実」はひとつです。

僕は今までの経験から思うのは、保険調査員の仕事とは、「事実」を積み重ねて「真実」に迫ることだと考えています。

事故を調べるためには、調査の核になる「事実」を少しずつ積み重ねていきます。

その小さな事実は、そのままでは取るに足りない「事実」かもしれませんが、積み重ねることによって、やがて大きな事実(事故状況)が浮かび上がってくるのです。そして、ついには「真実」に辿り着くのです。

過失割合で不利になりたくないと思って、確信的に嘘をつく人はたくさんいますが、「真実」は変わりませんし、「真実」はひとつしかないのです。

保険調査員の仕事は、非常に困難かもしれませんが、その「真実」を明らかにすることだと言えるでしょう。

あくまでもこの考えは僕の個人的な見解であるに過ぎないことは言うまでもないのですが。。。

また念のために申し添えておきますが、この記事は悪質なドライバーを擁護するためのものではないということです。

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