ネット通販では、販売している商品がいかにお得な商品であるか、さまざまなやり方でアピールしています。
お得感を醸し出すことで、サイト訪問者に商品の価値を理解してもらい、購買意欲を刺激して、成約に結びつけます。
たとえば、多くのかたが1度は行ったことのあるブックオフには、ブックオフオンラインという通販部門があります。
僕は以前から利用させていただいているのですが、そこの商品価値の感じさせ方が、非常に違和感のある方法なのです。
今回は、ネットビジネスにおける商品の価値を感じさせる方法について記事にします。
お得感を出すために新品と比較?
ブックオフオンラインで古本を検索していると、違和感を感じることがあります。
それは、古本(自社商品)のお得さをアピールするために、「定価より ¥612 おトク!」という表記で、価格の安さをアピールしているのです。
定価と比較しているので、お得感が半端ないです。
1,000円お得、2,000円お得なども見かけます。これだけを見ると、ものすごくお値打ち価格なのですが、ちょっと待ってと言いたいのです。
なにと比較しているのか、もう一度よく見てみましょう。
定価と比較しているのです。この定価というのが、新品の定価のことなのです。
古本と新品とを比較して、お得だとアピールされても、そもそも比較する対象同士が一致していません。
すごくお得だと思っても、新品の定価と比較して安いだけであり、もともと比較できないものを比較しているので、お得かどうか正直わかりません。
消費者はただただ混乱するばかりで、お得だと錯覚を起こしているだけのような気がします。
中古車を新車の価格と比較して、「数百万円お得」とアピールしている中古車販売業者さんがいたら、誰もが「お前はバカか」と思ってしまうでしょう。
ところが、古本の場合は、錯覚を起こしはするが、中古車のように「バカか」とはならないのは、古本も新品の本も中身が同じだからです。
表紙が破れていようが、書き込みが多少あろうが、読めさえすれば、同じ読書という経験ができます。
表紙にシワがあっても本の内容は一緒です。古本だから、ストーリーが違うぞということはあり得ないのです。(古本に限って、クライマックスが違うとか、そんなのはあり得ませんよね?)
中古とはいえ、古本の場合は、特異な位置付けにあるようです。
「定価より ¥612 おトク!」という表記になっています。書籍は再販売価格維持が認められていますので、定価といえば、新品の定価でしょうね。
Amazonでも古本が売られています。
複数の業者さんが好きなように値付けしていて、値段の安い順に掲載されています。
それぞれの古本の状態などが説明されています。比較して納得する古本を購入すればよいのです。
Amazonの場合、比較していると言っても、同じ古本ですから、錯覚を起こすことはないです。(古本の状態が違いますので、正確な比較は難しいでしょうが)
古本の場合、中身が同じなので、価格で魅力をアピールせざるを得ないのも理解できます。
古本の状態を説明されたところで、評価する側の主観によるところが大きいので、結局、安いか高いかの価格で決めることになりがちです。
だからこそ、ブックオフオンラインでは、お得感を出すために、「定価より ¥612 おトク!」というアピールをしていると僕は考えています。