「ニーチェ先生」は実在する哲学者を精神的なモデルにしている?

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コンビニを舞台にしたコメディー漫画の「ニーチェ先生」が実写化されることが決まりました。この作品のタイトルにもなっているニーチェという名前は、ドイツの高名な哲学者の名前です。

「ニーチェ先生」は、就職浪人中の松駒がアルバイトとして勤務しているコンビニに仁井智慧という新人が採用されるところから始まります。その新人スタッフの客に媚びることのない接客態度を見て、松駒は仁井に関心をもち、彼の言動を注意深く観察するようになるのです。

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この漫画は、接客業に携わっている人たちから好評で、「よくぞ言ってくれた」と思うところが多々あるようです。ここ近年、客がスタッフに因縁をつけて金品を要求したり、土下座させたりする事件が増えていたので、受け入れられたのかもしれません。

僕はこの漫画の内容よりもこの「ニーチェ先生」の「ニーチェ」という人名に心動かされるのです。

ニーチェとは?

ニーチェとは1844年にドイツに生まれた哲学者です。24歳のときにスイスのバーゼル大学の教授に就任します。ショペンハウアーとワーグナーに影響を受け、28歳のときに処女作「悲劇の誕生」を書きます。ところが、この書が問題作でした。

ニーチェは古典文献学の教授をしていました。古典文献学というのは、簡単にいうと、ギリシャやローマの古典を研究する学問です。

実証的な研究が求められるのですが、この「悲劇の誕生」はニーチェ自身の芸術論をギリシャ悲劇に託して書いたような書物でした。そのため、学界から無視され、バーゼル大学に推薦してくれた恩師のリッチェル教授にすら見放されてしまうのです。

この後のニーチェの人生は孤独で悲惨な人生でした。病気に苦しめられ、体じゅうに痛みが伴い、苦痛の中で著作活動を続けました。

しかし、誰かに理解されることはほとんどありませんでした。やがて精神を病み、母親と妹に介護されながら死んでいったのです。1,900年のことでした。皮肉なことに精神が病んでしまった後にニーチェの著作が少しずつ評価されていったのでした。

ニーチェの思想

ニーチェは、この世に絶対的な価値はなく、生きるためには新しい価値を生み出す必要があると言います。何かにしたがって生きるのではなく、自分自身で生きる指針を見出しなさいと諭すのです。

それを表現したのが、「神は死んだ」という言葉です。

「神という絶対的な存在はないんだ。あなた自身にとっての神を見出しなさい。そして、それにしたがって生きなさい」ニーチェはそう語るのです。

仁井智慧は、コンビニの店員だからこうしなくちゃという考えには捉われていません。あくまでも自分自身が正しいと思った言動をとろうとするのです。だからこそ、彼はニーチェ先生なのです。仁井智慧は自分の神を見出しているのです。

あなたの神は何ですか? 僕の神は何でしょうか? ドラマが楽しみです。

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