濱口竜介監督「ハッピーアワー」主演の演技経験のない女性たち

IMG_0034_v2

濱口竜介監督「ハッピーアワー」に主演した演技経験のない女性4人が、第68回ロカルノ国際映画祭で最優秀女優賞日本人としてはじめて受賞しました。

この映画作品の内容より、全く演技経験のない40前後の女性が、国際映画祭で女優賞を受賞できるのかということが気になります。

そもそも素人の女性がどのようにして映画に出演することになったのか、ものすごく気になります。僕以上に役者を目指している人のほうが関心のあるテーマだと思います。

Sponsored Link

なぜ映画出演することになった

この4人の女性は、濱口竜介監督が2013年9月から2014年1月までの5か月間に神戸市中央区にある「デザイン・クリエイティブセンター神戸」で開いた即興演技ワークショップの受講生なのです。

「デザイン・クリエイティブセンター神戸」は、多目的ホールです。さまざまなタイプのワークションが開催され、また創作物の展示会としても拡く利用されています。

こういったワークショップから映画作品が製作されることはよくあることです。卒業制作のような名目で、今まで勉強してきた集大成として、製作するわけです。

しかし、そういう経緯でできた作品が有名な国際映画祭で賞を受賞したのは非常に珍しいのではないでしょうか。しかも監督賞とか作品賞ではなく、女優賞です。全く演技経験のない女性たちが受賞したわけです。

ロッセリーニ監督の試み

舞台は別にして、映画俳優は素人でも務まることは、イタリアの映画監督である故ロッセリーニ氏がすでにみずからの作品において実証しています。

ロッセリーニ監督は、自身の作品に素人を出演させることを好みました。

もちろん、あのヒッチコックに愛されたイングリッド・バーグマンのような大女優が出演している作品もありますが。

「ハッピーアワー」

「ハッピーアワー」は、30代の女性の結婚や恋愛を映画いた作品です。つまり、プロの役者より素人の30代女性のほうが演技にリアリティがうまれる可能性もあるわけです。

なぜなら、素人の女性たちは演じる必要がないからです。キャメラの前で等身大の自分自身でありさえすればいいからです。

素人の女性たちがキャメラの前で行う言動は、役柄の言動であるのです。もし、役柄が70代の女性だったとしましょう。彼女たちに演じることは極めて難しいです。技術を持たない人に自分とかけ離れた存在を演じることはまず不可能です。しかし、等身大の役柄であれば、それは可能です。

監督の濱口竜介さんは、ワークショップで知り合った4人の受講生と接するうちに、役者以上のリアルさを感じてしまったのかもしれません。

本作がロッセリーニ監督と同じ試みであるのか分かりませんが、役者たちのその生々しい存在感に対峙してみたいと思います。

Sponsored Link