太っている方のほとんどが、炭水化物を摂りすぎています。そのため、炭水化物を減らすと痩せるという話があります。
炭水化物は簡単に言うと「糖」のことです。ブドウ糖ですね。ほとんどの方が聞いたことがあると思います。
今回は、この炭水化物とダイエットとの関係を考えてみたいと思います。
炭水化物とは?
ご飯やパンや麺類などの炭水化物は、体内に入ると、消化酵素によって細かく分解されます。そして、分解されて最も小さくなったもののひとつが「ブドウ糖」なのです。
ブドウ糖は腸で吸収され、人間の唯一のエネルギー源として体内で利用されます。
ブドウ糖がなければ、体を動かすエネルギーを作り出すことができないほど、非常に重要な栄養素です。
その一方、このエネルギー源を取り込み過ぎると、体脂肪として体内に取り込まれやすくなり、肥満の原因にもなります。
ですから、ダイエットしたい人がまず始めるのが炭水化物の摂取をひかえることです。
ただ、炭水化物をひかえるのではなく、炭水化物の摂取の仕方に注意すべきだと思います。
炭水化物のことを知ることによって、ダイエットするにあたり食生活を見直してみることができます。
糖を摂りすぎると糖尿病になってしまいます
食べ物から摂取した炭水化物が体内に入って、消化酵素によって分解され、「糖」になると、血管の中を血糖として体じゅうに運ばれます。
血糖値という言葉は聞いたことがあると思いますが、血管の中にある糖の濃度のことです。
炭水化物を摂取し、消化吸収された後に血糖値は上昇します。
摂取した量だけ上昇するようになっているのですが、上昇した分の血糖値は「インスリン」というホルモンが正常値まで下げてくれるようになっています。
非常にうまくできてますね。人間の体のことを知れば知るほど、人間の体はよくできてるなあって感心します。
しかも、この「インスリン」というホルモンは、どれだけ血糖値が上がったかによって、分泌する量がかわってくるのです。至れり尽くせりって感じです。
GⅠ値(グリセリック・インデックス)という数値があります。これは、食後に血糖値は上昇するようになっているのですが、その糖の吸収の速さを表した数値なのです。
ブドウ糖を100とした場合の、相対的な数値になります。たとえば、白米が「88」、うどんが「80」、もち米が「80」という風に。
さきほど、インスリンは上昇した血糖値を下げる役割があると言いました。では、下げた分の血糖値はどこへ行ったかと言いますと、体に糖を備蓄するようになっているんですね。
インスリンの働きには頭が下がる想いです。
インスリンは血糖値が上昇するとすい臓から分泌され、上昇した分の血糖値を正常値に戻します。その余分な血糖値だけ体にため込むことになります。
僕たちには、こんなに優秀な働きをしてくれている「インスリン」があるにもかかわらず、糖を摂りすぎるとなぜ糖尿病になるのでしょうか?
さきほど、GⅠ値(グリセリック・インデックス)という数値の説明をしましたが、この数値で70以上を表している食品が体内に入ってくると、僕たちの脳が血糖が上がりすぎている!と判断して、急いでインスリンを分泌しようとするのです。
何が問題かと言いますと、急いで分泌されてしまったために、通常より出すぎたインスリンが、血糖値を正常値より下げてしまうことがあるのです。
低血糖状態になってしまうのです。低血糖状態になると、もっと何かを食べたくなるのです。
つまり、血糖値をあげるために食べたのに、血糖値が下がるという状態です。
さらにひどくなると、血糖のコントロールがきかなくなって、インスリンが分泌できなくなると、高血糖状態がずっと続く糖尿病になってしまうのです。
血糖値が低くなると、集中力が散漫になったり、イライラしたりします。一方、血糖値が高くなると、動脈硬化の原因になったり、脳梗塞や脳卒中、心筋梗塞にもなる場合があります。
高血糖状態が続くと、血管に負担がかかってしまうからです。
長々と説明してきましたが、僕が言いたいのはひとつだけです。誰だって、食生活に問題があれば、糖尿病になる可能性があるということです。
ダイエットは炭水化物を抜き、あるいは減らすことで成功するのか?
炭水化物を摂らないようにしようというダイエット法がありますが、このダイエット法はリバウンドする可能性が高い方法です。
今まで普通に食べていた炭水化物を一切やめると、当然ながら禁断症状が出てきます。倦怠感に襲われるのです。
それでも我慢し続けると、しばらくは耐えられることもあるのですが、結局、プツリと糸が切れてしまい、急に我慢していたものを食べたくなって、今まで以上に太ってしまうこともあるんですね。
炭水化物を少し減らすぐらいなら大丈夫でしょうが、極端な食事制限は非常に危険です。
現代の日本の取り巻く食の環境というのは、最悪かもしれません。
なぜなら、精製された食品が数多くなるからです。お菓子や清涼飲料水だけではなく、お酒やパンや麺類に至るまで、精製されています。
精製された食品を食べると、血糖値が急上昇するのです。このように精製された食品を人類が食べ始めるようになって、約1万年しかたっていません。
人類が誕生してからの39万年は、精製された食べ物を食べてはいかなったのです。ですから、僕たちの体は精製された食べ物を素早く対処できないのです。
インスリンというホルモンが高血糖をなんとか防いでいるというのが実情なのです。
まとめ
誰でも食生活が原因で糖尿病になる可能性があります。それほど食生活は重要なのです。
そして、極端な食生活の変化は病気のもとになります。
大切なのは、まずは今あなたが摂取している食べ物がどのようなものかを把握することです。食生活を振り返ることです。
そのうえで、できるかぎりGⅠ値(グリセリック・インデックス)の低い炭水化物を摂取することが大事になります。