ちょうど高校に入学したころから、社会に出たらどのような人生を歩むのか真剣に考える時期がやってきます。
高校入学してからでは遅すぎるかもしれませんが、田舎育ちの私の場合、中学は部活動に明け暮れて、人生のことなど考える暇さえありませんでした。
中学、高校の6年間は、たくさんの漫画を読み、たくさんのアニメを見て、たくさんの映画を観ていました。
物語の主人公の生きざまをみて、さて僕はこの人たちのように生きればいいのだろうかと考えるようになっていました。
もちろん、架空上の主人公なので、まったく同じような生き方はできません。せめて人生の指針になるような生き方に出会えればいいなって思っていました。そして、僕は出会ってしまったのです。男の生き方を教えてくれた最強の漫画に。
男の生き方を教えてくれた最強の漫画は?
「週刊ジャンプ」に1983年から連載され始めた「北斗の券」という漫画がありました。
作者は、作画:原哲夫/原作:武論尊のお二人です。
僕が読み始めた時にはすでに連載は終わってしまっていたのですが、アニメの再放送をきっかけに「北斗の拳」を全巻読むことにしたのです。
ストーリーは、主人公で北斗神拳伝承者のケンシロウが、南斗聖拳の伝承者であるシンに連れ去られた婚約者のユリアを奪い返す物語であります。
愛する女性を取り戻すためにさまざまな難敵と闘い、北斗神拳伝承者として能力を最大限に開花させます。
時代は199X年、核戦争で荒廃した日本が舞台です。力だけがすべての時代で、秩序もまったくなく(力という秩序はありますが)、弱者は殺されて終わりの世界です。
こういう世界を舞台に、主人公のケンシロウは奪われたユリアを求めて旅を続けるわけです。
そのあいだに、何人もの仲間と出会い、何人もの難敵と出会い、闘い、傷つき、悲しみ、嘆き、それでもユリアを求めて生き続けるのです。
僕には、男っていうものは愛する女性のために生きるものだという考えがあります。
もちろん、この考えは北斗の拳の影響です。日本人には、好まれる生き方だと思います。
ケンシロウの生き方によく似ているのは、剣豪の生き方ではないでしょうか?
常に死と隣り合わせで、強い敵と闘いつづけ、技を磨いて奥義を体得しようとする剣豪の生き方は、まさに北斗の拳の世界と通じるものがあります。
ケンシロウが、ユリアを奪ったシンと闘ったとき、シンはケンシロウが昔の軟弱なケンシロウでないことに気づいて驚きます。
ケンシロウは言います「執念だ」と。
自分を成長させたものは、愛するユリアを奪い返すためにシンに勝つことだけを目的として生きてきた執念なのだとケンシロウは言うのです。
僕は人生で困難に出会ったとき、この「執念」という言葉を思い浮かべます。
「ここで負けてなるものか、絶対にあきらめない」と自分自身を奮い立たせて、生きてきました。
もちろん、現実の人生は挫折ばかりで後悔しかしていないような気がしますが、それでも僕は「まだまだ終わっちゃいない」とあきらめずに人生を生き切ることを目標に頑張っています。
たまに読み返すことのある北斗の拳ですが、そのたびにやる気が出て、若かったころの自分を思い出してしまうのです。
これからも何度も挫折するでしょうが、「執念」という言葉を頼りに、これからの人生を生きていきたいです。ぜひ一読されることをお勧めします。